LAST UPDATE: 2001/3/18
仙台日本酒倶楽部のメンバーと,三本木の「愛宕の松」を見学しました。
専務の新澤君はまだ20代後半。蔵の再興をかけて奮闘中です。
4号線パイパスから外れ,旧道沿いに古い蔵作りの新澤醸造店はある。
かつての勢いを示す大きな建物は,今はかなり痛んでしまっている。
敷地面積3000坪の広大な蔵だが,今では使われているのは一部。
建物の多くは痛んだままになっている。
綺麗に修復すれば文化財として通用すると思われるのだが,余裕はない。
200石。県内でも最小の造り石高。
ほとんどが地元での消費の「愛宕の松」を,全国で通用する酒にしようと,若い専務
は孤軍奮闘している。
三造り目の今年は,やっと感触が掴めてきたと言う。
70代の杜氏らをなだめすかし,親を説得し,自分の思い描く酒を作るために努力して
いる彼の情熱は素晴らしい。
造りから営業までこなす中で,経営者としてのビジョン,モノ作りの情熱,すべてが
一体となった前向きな精神は,一介のサラリーマン技術者の私には,とてもまぶしく
感じられる。
今年のお酒を利き酒させてもらった。
八反の純米大吟醸は,原酒でも度数は16〜7と低め。
新酒ながら,すっきりとまとまった綺麗な出来だが,度数の低さ故か,腰が弱く
温度が上がると,物足りなさを感じる。旨味が不足しているような気がした。
宮城My酵母のササニシキは,My酵母らしき出来。
今年は試験醸造と言うこともあって,どの蔵も同じような味。
造りやすい酵母だそう。今後の使いこなしていくかで蔵の特色を出すことに
なるのだろう。
本醸造二種類は,糖化速度を変えたもの。春出荷用の方は,大吟醸と同じく,
やや薄い感じがある。
秋用の方は,渋みがあるが,これは秋上がりしそうな良い感じ。
蔵の中は,かつて1000石を醸した時代のタンクが並んでいる。
今は全量特定名称酒ながら,本醸造主体で200石。
造りを変えてから,じわじわと売上は伸びている。
冷蔵保存のための冷蔵庫も近々入る予定だ。
設備投資のために,蔵の敷地の裏側を売却する。
変化の兆しを見つけて,さまざなな流通業者からオファーがあると言う。
しかし,まだ自分で満足できる酒が仕上がらないうちに,拘束がかかるような
ことは避けたい。
新ブランド名についても,満足の出来るお酒が出来てから。
来年は蔵人の年齢もぐっと若返る。
来年とは言わないが,2年後には「愛宕の松」はきっと良いお酒になっている
予感がする。
----------------------------------------------------------------------
月桃 sannin
----------------------------------------------------------------------
◆お酒の目次に戻る