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お酒と蕎麦

LAST UPDATE: 2001/1/11

お酒の作り方
2000/2/27

友人から,蔵見学記に出てくる用語が判らないと言う指摘があって,日本酒作りの
全体について簡単に説明したものです。
この時は,まだ半可通だったので(^^;(今でもですが)間違っている部分もあるかも
しれません。
後で見直して気が付いたら訂正します。



SUB:いやー寒い

月桃です。

さすがに氷点下の気温で,帰りの道路は凍っていました。
自宅付近とは3度くらい違います。
お,部屋の中も息が白い。

NHKで,ピーナッツをやってましたが,やはり谷啓とうつみ宮土理でないと。

さて,お酒についてはWEBで探すと,結構詳しいサイトもあるんですが,基本的
なところは説明した方がいいですかね。


◆お酒の作り方(モト編)

日本酒は,基本的に米から作るわけですが,米だけだと澱粉なので,酵母がア
ルコール発酵できません。
米の澱粉をブドウ糖にして,それを酵母がアルコールに変える訳です。
ワインは最初から糖なので,そのまま野生酵母が発酵させてワインが出来ます。

澱粉をブドウ糖に変えるために酵素が必要です。
この酵素は,たとえば麦だと芽が出るときに発生しますので,わざと芽を少し
出させた状態で過熱して殺したのが,所謂麦芽です。
米の場合は,麹菌を使います。

お酒造りには,一麹,二モト(酉元),三造りと言われるくらい,麹造りが大
切です。

一昨日書いた蒸米(じょうまい)つくりから,麹室に適温まで冷ました蒸米を
運びこみ(引き込み),種麹をまんべんなくまぶしたあと,保温します。

ここで,麹室の中で,麹床という台の上に,全体を使って少しずつ広げて熱を
調整しつつ麹を繁殖させるのが,総床法。
ある程度,麹が付いたら,四角いお盆のような麹蓋に小分けして熱を調整する
のが麹蓋法です。
この中間の方法もあります。

麹菌が米に繁殖するほど熱が発生してきますので,過熱しないように適当に熱
を逃がしながら,丁度よい繁殖具合(はぜ具合)にするわけです。

蒸米に種麹をつけたあとは,高温で水分を逃がしますが,これは表面を乾燥さ
せることで,麹菌が水分を求めて,米の内部に食込ませるためです。
味噌麹のように,表面に毛が生えているようなものは失敗です。

蒸米を固めに蒸すのも同じ理由です。


米は小さく分けた方が,それぞれの温度を調整しやすく,全体で麹菌の繁殖具
合にムラの無い麹を作る事ができますが,手間がかかります。
したがって,麹蓋は吟醸にだけ使う所が多いようです。

米の内部によく麹菌が食込んで,表面はまだらに白くなった程度が突きはぜと
よんで一番良い状態です。全体が白くなるのは,やりすぎ。

こうして2日ほどで麹が出来上がります。
モト用の麹と,あとで使う掛米用の麹は,若干状態が違います。
麹室から麹を出すのを,出麹とよびます。
出麹した麹は,しばらく枯らしておきます。(そのまま置いておきます)
枯らした麹は,常温で長期間保存が利くそうです。

出来上がった麹と,蒸米を水に漬けます。
このときに,乳酸と酵母を加えます。(即醸モトの場合)
こうして2週間以内にモトが出来上がります。

乳酸の役割は,アルコール発酵する以前の醪は,雑菌が繁殖しやすいため,雑
菌の活動を抑える役割です。野生酵母もこれで押さえます。

麹によって,米が糖化され,同時にブドウ糖から酵母がアルコールを作ります。
これを平行複発酵と呼びます。
麹と酵母の二つの発酵が同時に進むからです。
世界的にも珍しい醸造方法です。

モトは,アルコール度数よりも,発酵のための下地造りが目的ですので,この
段階では度数は高くありません。

◆生モト,山廃

さて,即醸モトで無いモトもあります。
大七で有名な生モトは,麹と蒸米と水を混ぜたあとに,櫂で丁寧にすり潰しま
す。これをモト摺り(山卸し)といいます。
モト摺りの目的は,米の芯白(中心の白い部分)を出して,糖化と乳酸発酵し
やすくすることです。
昔の精米度合が低い時代には必要だったのですが,精米度合が上がると,この
作業をしなくても,乳酸発酵することが判りました。そこでモト摺りを廃した
のを山卸し廃止モト,略して山廃モトと言います。

山廃モトでは乳酸発酵が進んだ状態になったときに,酵母を投入します。
もちろん,大昔は,自然酵母が繁殖するのを,ただ待ってました。

山廃では,自然に乳酸発酵するまで時間がかかるため,モトが出来るまで一月
かかります。
そこで予め乳酸を加えたのが,今の主流の即醸モトです。

実際には,硝酸還元菌から始って,微生物の遷移は複雑なんですが,面倒なの
で省略します。


麹やモトは,出来上りのお酒の香りや味に影響がありますので,非常に丁寧に
作られます。

モトは酒母(しゅぼ)とも呼ばれます。
ふつうは胸の高さくらいの酒母タンクで作ります。
これを大きなタンクに移して仕込みが始ります。

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     月桃 sannin
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SUB:またまたお酒の作り方

月桃です。

相変わらず寒いです。
腹の調子が悪いのは,いよいよ流行の風邪にかかりかけてるのか(^^;


◆仕込み

昨日はモトつくりまで書きましたので,続きを。

酵母菌が繁殖してモトが出来たら,これを大型のタンクに移し醪を作ります。
初添えとして,麹と蒸米(掛米)とを加えて,中一日ほど寝かせます。
この期間を踊りと言います。
次に,仲添えとして,初添えの倍の麹と米を投入します。
今はこの辺の作業はエアシューターでやってるようです。
これでまた数日置いて,最後に留添えとして,さらに倍の米と麹を入れます。

掛米を三回に分けて入れるので,三段仕込みと呼ばれます。
(四段仕込みもあります)

なぜ分けるのかというと,酵母は自分自身の作るアルコールで弱ってしまうた
め,ある程度,度数が上がると活動が鈍ります。
そこで新たな掛米と麹を入れる事で再度活性化し,さらに高い度数にするため
です。
この方法によって,日本酒は醸造酒としては珍しい20度以上のアルコールを作
ることが出来ます。

酵母が発酵すると,泡が発生するのですが,この泡は本体と同じくらいの容積
まで膨らむので,最近では泡無し酵母が主に使われてます。
9号酵母の泡無し株が901号というように01をつけて呼ばれます。

醪の温度を品温と呼びますが(麹の温度も品温),これと室温は毎日2回以上
グラフに取ります。
温度が上がり過ぎないように,また下がり過ぎないように,タンクの周りに保
温材を巻いたり,冷水ベルトをつけたりして調整します。
お湯を入れた小さいタンク暖気樽(だきだる)を中に入れたりもします。

解放タンクが多く使われていますが,タンクの中は酵母の作った炭酸ガスが充
満しているので,落ちると酸欠になり危険です。

醪の発酵が進むと,吟醸香のような良い香が漂います。
この香は残念ながら,やがて消えてしまいます。
そこで揮発成分を集めておいて,あとで付け香に使う方法も考えられました。
今では悪名高いヤコマンです。
白瀧の上善如水は,ヤコマンを使っていると言われています。


◆搾り

およそ20日程度で発酵が終わり,醪が完成します。

純米酒の場合はこのまま,本醸造では醪にアルコールを加えます。
三増酒の場合は糖と調味料も醪に加えます。

この醪をポンプ圧送で,搾機にかけます。
昔は槽(ふね)といって,大きな箱に袋づめした醪を積み上げて,重しをかけ
て搾りましたが,今ではほとんどの蔵でヤブタ式という搾機を使っています。
これはアコーディオン状のフィルターの間に醪を入れて圧力をかけて搾るもの
です。

槽の方が,圧力が弱く,吟醸には適していると言われます。
本来は,槽に醪の袋を積み上げた段階で,ひとりでに流れ出るお酒を,荒走り
と呼びます。次に重しをかけて出て来るのを中汲み。最後に搾り出した物を,
押切り。
中間が一番バランスが取れているので,鑑評会用には中汲みを別に取っておい
て使います。これが中汲み,中取りとラベルに書いてあるお酒ですね。

今は,ヤブタ式を使っている蔵が多いので,吟醸の場合は,機械では搾り過ぎ
になるため,吟醸だけは,袋詰めした醪を竿に吊るして搾ったりしています。
これが首吊りとか,雫酒と呼ばれる物です。

搾り立てのお酒は,槽口(ふなくち)とも呼ばれます。
まだ炭酸が残っており,ぷちぷちとした感覚があります。
また若干炭酸の苦みがあります。
荒々しいものの,新鮮さが感じられます。

この状態では,まだ薄い黄色であり,また醪の濁りも混じっています。
これをろ過して保存容器に移します。
ろ過材として,活性炭を使うと,淡麗になりますが,味気無くなってしまいま
す。最近は無ろ過のお酒も増えています。
紙フィルターも使われています。

わざと濁りを残したお酒も売られています。うす濁りとかです。
もっと濁った濁り酒は,多くの場合,酒粕をわざわざ加えて作ることがあるそ
うです。
機械搾りでは,本来の濁り酒は出来ないんですね。

ろ過したお酒は,大概の場合,火入れして殺菌します。
60度の過熱です。
火入れしてないものを生酒と呼びますが,これは悪く成り易いので冬の期間く
らいしか出荷しません。

火入れした原酒は,暫く寝かせて春先から出荷されます。
夏を越すまで熟成したものは,冷や卸しと呼ばれます。
吟醸酒の場合は,熟成期間が長く,1年くらい熟成したものが多いそうです。

出荷直前に,加水して度数を15度くらいに下げます。

瓶詰めしたお酒には,瓶詰めした日の判が押されます。

また,日本酒は蔵から出荷した段階で課税されます。


吟醸酒の場合は,麹の作り方から違いますが,品温管理が細かいのが特徴です。
普通のお酒よりも,低温で長時間かけて発酵させます。
これは厳しい条件の方が,酵母に吟醸香や旨味を出させるからです。
ただし,あまり低温にし過ぎると発酵が止まってしまいます。
どこの蔵も吟醸だけは,冷蔵室や,囲った部屋で雑菌が入らないよう細心の注
意で作っています。


すっかり長くなりました。
寒くて凍えてます(^^;

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     月桃 sannin
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00/2/16
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